危うく手を滑らせかけましたが、一命はとりとめました。ZBook Create G7レビュー

今回はDatVRさまから1か月、HP ZBook Create G7 Laptop PCをお借りしたので色々レビューをさせてもらおうかと思います。

編集部から「忌憚ない意見を」とのことでしたので特に忖度せずにゆるくやっていきますが、ご容赦。

また、この記事は「VRChat」を遊んでいる人、ちょっとPCわかる。人向けに書いているので多少雑に専門用語を含んでいる場合があります。重ねてご容赦。


先に結論なんですけど

「この価格で最新スペックの中身だったら(上位モデルを)買っていた」というのが結論です。

買う理由としては

・可搬性の高さ

・フルサイズSD搭載

・余裕のあるキーボード配置

・普通に遊ぶ分にはVRChatを(VRモードでも)遊べる。

買わない理由は

・一世代前のスペックでこの価格かあ…(24万円~)

・インターフェース切り詰めすぎ

・(スタンダードモデルの)色域表示がどこにもない

とかこんな感じです。

後これは買わない理由ではないものの言っておきたいんですが

「VRChatで写真を撮る人類は買ってはいけない」

ということです。拡張レンズ、動きません。無理。

細かい話は後ろの方でやっていくので興味があれば読んでみてください。


著者について

誰向けの記事かというものも含めて簡単に自己紹介をば。

名前はしろまる。と申します。句点まで含めて名前です。

普段仮想現実空間(主にVRChat)上での撮影や、その素材を使って色々と作っている人類です。


応募の理由

VRChatに常駐している人類なので、片時たりとも離れたくない。そう思うとほぼすべての人類は脳裏に出先でも使えるゲーミングノートPCがちらつくんじゃないでしょうか。

とはいえVR機器を動かすマシン、ましてやVRChatを動かすマシンとなればそれなりにスペックが必要……価格も相当(20万~)を見る必要がある感じで試せる機会があればいいなと思って応募させていただきました。


ZBook Create G7 Laptop PCの外観と評価

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見てくださいよこの奇麗な天板。

Zの文字だけ某スタバノートPC並みの奇麗さで艶のある処理がされていてめちゃかっこいい。スタバ行けますよこれ。


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ちょっと不満点としてはクリエイターノートを名乗っておいて拡張性の最悪さなんですよね。

流行り的には確かにthunderbolt端子とかで外に拡張Dockを用意してあげると可搬性と利便性が上がるのはわかる。わかるんですけど、流石に出先で色々作業するときにHDMIの一つもないのは割と困るんですよね……実際雑に持ち出してないのを後から思い出して困ったりしました。

とはいえ、フルサイズUSBと、SDスロットがある(画像の反対側に1つだけフルサイズのUSBポートがあります)のはうれしかったです。ちょっと極端すぎん?


と不満ばっか言ってますがこの輝く銀色のサイドラインすげーきれいなんですよ。見た目最高で普通にテンション上がる。あと、前面はがV字に切れ込みが入っているので開けやすい。割とストレス源になる場所なのでこのデザインいいなあと思ったりしてました。下手に引っ掛けたりしかねないかなと思わなくもないですけど、ウチが使ってる分にはそんなことなかったので今後も踏襲してほしいな。


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キーボード、これ最高に気に入りました。

最近某社の猛烈に軽いノートPC買ったんですけど、軽さの贄がキータイプだったんですよね。なんとなくその影響もあって期待せずにCreate G7を触った瞬間、声出ましたよ。あ、これ気持ちいいって。この辺は個人の好みだとは思いますが、割と万人受けするタイプの打鍵感持ってるいい感じでした。

あと、キー配置ですね。

最近HPさんSpectorシリーズ辺りからキー配置を見直して一番右の列のPageUPとかを排除してエンターキーとかを大きめにしてくれたと思うんですけどこれ大正解ですよ。基本US配列を使う人間なんですが、日本語入力をするには大きいエンターキーは正義ですね。正直怖いので電源キーをキーボードのなかに混ぜるのは勘弁してほしかったですが……

(欲を言えば日本向けにもUS配列を販売してほしいですが。)


ZBook Create G7 Laptop PCの実用面の評価

ぶっちゃけ「とりあえず動きそうなものはそれとなく動く」という評価です。

搭載GPUはRTX2070Superで、ただしノート向けなのでデスクトップ用比で確か7割~6割くらいの火力が出ます。ただ、VRChatterならおなじみVRM容量もデスクトップ同様の8GB積んでいます。

ここまで聞けばちょっと齧ったVRChatterならわかると思いますが

「動かそうと思えば割と普通にVRChatが動く」くらいのスペックです。

実際にQuest2をVirtual Desktopで接続してログインしてみたんですが、軽めのワールド(JP-Hub)に10人前後いる状態で40fpsくらい叩いてるのを確認できました。

正直その際に拡張カメラ(Virtual Lensなど)出したら即死(fps10以下)な感じだったのでVRで入る理由を見失ってやってないですね。

VRChatter向けの結論としては「知り合いと遊ぶだけ」程度なら買ってもいいと思いますが、ぶっちゃけ他の同価格帯のマシン選んだ方がいいですね。


ネガキャンばっかしてると怒られそうなので、というかウチはほかの用途メインで使ってたんですが、大体Adobeのソフト「PremiaPro」と「illustrator」を中心に使っていました。

とはいえ、正直何も特筆するべき項目がない……。普段はintelのcore i7とRTX3060のマシンで作業しているんですが比較しても違和感なく作業できました。

あと、普段は13インチのノートPCを使っていたんですが15インチという画面サイズが大分光っていましたね。モニターつながりで色域に関しての公式の表記がなかったのでちょっとわかんないんですけど、それなりに奇麗にみえました。細かい色調整が必要な作業はやらなかったので評価はしにくいですが、普段の作業をするうえで白すぎ!とかはならなかったです。多分、平時使ってる安物モニタよりはよっぽど色が出ていたハズ。


実用面の話でついでに可搬性の話をするんですが、こいつめちゃくちゃ軽いですよ。見た目からもわかるとは思うんですが薄く詰まってるのかなと思うと片手でもち上げるのに苦がないんですよね。

測ってないんで詳細はわからないんですが、メーカー公証1.9kgらしいです。とはいえ15インチで大柄なので持ってみると大きさ比で軽く感じます。

リュックに入れて色々持ち運んだりしてましたが、充電器含めかろうじて運べるなという重量に収まっている印象。頼りがいのあるスペックをこの軽さで運べるのはいいですね。サムネイルに書いた割に可搬性の記述短いですね。いや可搬性大事ですよ。ノートPCなんですから。


ただまあ、当然と言えば当然なんですが熱がすごいです。

廃熱機構は結構頑張っているようでエアフローが確保できる場所で作業する分には問題ないかと思いますが(布団の上など)熱がこもりやすい場所や底面から吸気できないような状態で作業することはできないです。

これに伴って音も激しいです。デスクトップモードでVRChatを回している際に外付けのマイクでめちゃくちゃファン音拾っているねと散々言われました。こればっかりは宿命ですね……。


まとめ

・普通にクリエイティブソフトが動くサブマシンとしてそれなりに適

・VRChatを遊ぶだけなら候補となりえる




それなりに高級なのもあって、外観の奇麗さから廃熱処理、(特にレビューしなかったですけど)スピーカーの音の良さ、キータイプの軽快さなど買っても後悔する点はあまりないかと思います。

かといって、「今これを買うか」と言われると大分厳しいなという感じ。

この筐体で中身を差し替えたモデルの登場が望まれるかなという感じ。あとせっかくなのでスタンダードモデルの色域もスペック表に書いてください。多分そこそこ出てるんじゃないですかこれ……?クリエイター向けってことで安定性を評価するのに時間がかかるという話だとは思いますが。