VRってナニ?
「VRってナニ?」
こんな質問をされた事、もしくはした事はあるでしょうか?
この質問、実はかなり人によってばらつきが出る言葉でもあります。
というのもVRは狭義から広義まで幅広い定義が存在し、その境目も人によって変わります。
その上、実は本来の英語の意味が日本語に変換される際に大きく変わってしまった言葉でもあるんです。
その為しっかりと詳細に解説したいところですが長くなってしまうので、まずは一般的なVRの意味とされる狭義のVRについて解説したのちに、本来の英語のVRと広義のVRについて解説していこうと思います!
VRとは
一般的にVRとは「Virtual Reality」の略であり、日本語では「仮想現実」や「人工現実感」と訳されています。
現在の意味としては「コンピューターグラフィックによって作られた環境に、デバイス等を用いて没入する技術」の事を指します。
砕けた言い方になると、以下の写真のようなVRデバイスを用いることで3DCGの中に入る事を指し、よくアニメの世界の中に入ると表現されています!
出典:Oculus
VRを体験する人は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)というデバイス等を用いてゲームやコミュニケーションを楽しんでいるんですね!
2020年現在の時点でVRはゲームや映像鑑賞だけでなく、VRSNSを用いたコミュニケーションと言った高度な体験から、シミュレーションや会議といったビジネス用途まで幅広く活用され始めています。
そんなこれからの時代を作り上げていくであろうVRですが、日本語に訳される際に大きく意味が変わってしまった過去を持ちます。では、本来のVRの意味とはなんだったのでしょうか?
本来のVRの意味とは
VR(英:virtual reality)は日本語にすると「仮想現実」と訳されています。
この「virtual」、「仮想」の訳の部分は、欧米からやってきた言葉の例にもれず翻訳する際に日本語的な意味が込められてしまっています。
英語の「virtual」は本来
「(表面、または名目上はそうではないが)事実上の、実質上の、実際上の」という意味です。(引用:新英和中辞典)
これに対し、日本語の「仮想」は
「実際にはない事物を、仮にある物として考えてみること。仮に想定すること。」という意味を指しています。(引用:大辞泉)
このように、本来virtualは「事実上の、実質上の、実際上の」という意味を持つことがわかり、日本語の「実際にはない事物(=仮想)」とは異なることがわかります。
仮想通貨を例としてあげると、英語の仮想の意味でとらえると表面上は通貨でないものの、「事実上の通貨」であると認識できます。しかし、日本語の仮想の意味でとらえると、単なる「通貨のシミュレーション」のような意味に感じてしまいますね。
ここに現実、realityが加わると、英語では「事実上の、実質上の」+「現実」、日本語では「仮に想定した」+「現実」となり、明確な違いがあることが分かります。
このように本来Virtual realityとは、現実の代替品やシミュレーションでなく、価値があり、存在が認められている唯一の空間を指すんですね。
広義のVRの意味とは
VRに対する日本語と英語の違いを認識した上で、広義のVRを解説していきます。
実はVRは必ずしも以下の画像のようなHMDを装着しないと体験できないようなものではありません。
広義では、VRは「没入することのできる技術や体験」と言われます。その代表として、VRを体験する一番簡単な方法、それは本を読むことです。
もしかしたら拍子抜けした人もいるかもしれません。ただ、もう一度英語の「virtual reality」の意味を思い出してみてください。
表面上は確かに、現実にいるかもしれません。でも本を読んでいるとき、本当にその世界に入り込んだような感覚に陥ることはないですか?そしてその世界は確かに価値があり、本物であるとさえ感じられることがあると思います。これは本だけでなく、漫画やアニメ、ドラマ、映画、演劇などでも体験できるものです。
もっと遡って、例えば伝説などの口伝や絵などもVRと言うことも出来るでしょう。
そして情報量が多くなればなるほど、すなわち文字から絵や動画へ移るほど、その世界への没入度は高まります。
前述のとおり、狭義にはVRとはコンピューターグラフィックよって作られた環境に、デバイスなどを用いて没入する技術を指します。HMDは現存する技術の中で最も没入度が高いデバイスであるために、VRの象徴となっているんですね。
しかしもっと広義ではHMDなどを用いる必要はなく、もっと身近なものでもVRの機能を果たしているんです。
まとめ
3行まとめ
・一般的にはVRとは「コンピューターグラフィックによって作られた環境に、デバイス等を用いて没入する技術」
・英語と日本語でVRの解釈が異なる
・VR体験自体は非常に身近なもの
VRという言葉にはいろいろな定義が含まれていてわかりにくいかもしれませんが、語源をたどっていくとどんな概念なのか理解しやすくなりますね。
また、VR以外にも”AR”や”MR”という言葉もあります。こちらに関しては以下の記事でご紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください!!
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