VRC調査 第二章 VRChat利用者実態と利用者動向 その1

お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。

今回から遂に!2020年度VRC調査で実際に調査したデータをご報告させて頂きます!

第二章は、VRChatを利用している方のプレイ時間や頻度、始めたきっかけ、職業、住んでいる都道府県といった利用者の属性に関するデータになります。

どうぞよろしくお願いいたします!

VRChatのプレイ頻度

VRChatのプレイ頻度に関してです。

2019年のIDCによる調査では、世界的に見てハイエンドVRHMD所持者の使用時間は月に6時間程度と言われていました。
出典:MoguraVR

前年度もそうではあったのですが、今年度もVRCユーザーの方の使用頻度はかなり高いことがわかりました。

「選択肢+その他」形式で回答して頂いたものを整理したのが、以下になります。

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驚くべきことに、毎日プレイされる方が44%もおり、週5時間以上プレイされる方という括りでは61.2%もいらっしゃることが判明しました。

この高い頻度の裏には魅力的なユーザーやVRC独自の団体といった高いコミュニティ性や、ユーザーによって常に供給される新しいコンテンツ(イベント、アバターやアクセサリー)の存在がある事が今回の調査で分かっています。

これについても、のちのアンケート結果をもとに考察していこうと思います。

前年度との比較

2019年度と比較すると、なんと毎日プレイされる方が5.6%も増加するという結果になりました。

それだけでなく、週に5日間プレイする方が全体の61.2%となり、前年度よりも4.1%VRCをプレイする頻度が高い方が多いという結果になりました。

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VRChatのプレイ時間

次にVRChatのプレイ時間についてです。「選択肢+その他」形式で回答して頂いたものを整理しました。

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こちらも頻度と同じく、上記IDCの調査から大きく増加した数値となりました。

およそ54.2%が一回辺り3時間以上プレイするという結果になり、ハイエンドVRHMD使用時間の世界平均(月に6時間程度)を2日間で超えることが判明しました。

この背景には、ゲームの様にゴールが無く人と人とのコミュニケーションが多いというVRChatの特性や、VRChat内で毎日数件開催されているイベントによって滞在時間が延びることが関係していると予想されます。

また、インタビューでは「日々ユーザーの手によって更新されていくコンテンツを楽しんでいるうちに、何時間もたっている」という声や、「VRChatで行われる飲み会に日々参加しているから」という声もありました。

そして「7・8時間以上」と回答された、特にプレイ時間が長い方の中には、通常のプレイに加えてVR空間で寝る方もいらっしゃることが判明しています。

このいわゆる「VR睡眠」に関しては、また次回の記事で詳しく記述していきたいと思います。

前年度との比較

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前年度と比較すると、2020年度は2時間以上プレイする方が最も多かったのに対して、2019年度は3時間以上プレイする方が最も多かった為、順位に変動がありました。

3時間以上プレイする方も2019年度は55.8%だったことを考えると、今年度は1.6%の方が少しプレイ時間が減った傾向にあります。

VRChatユーザーの職業

自由回答形式の設問に回答された職業を、総務省が出している日本標準職業分類を元に全て分類してみました。

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基本的には日本標準職業分類の大分類で分けていますが、ITを生業とする方のみ専門的・技術的職業従事者から情報処理・通信技術者を分けて記述しています。
出典:総務省

また大学生、高校生、専門学生は「学生」、アルバイトやパート、フリーターと記述された方は「アルバイト」と分類しました。(2019年度の記述である、フリーターからアルバイトへと変更しております。)

今年は最も多いのが事務従事者の24.6%、ついで学生の22.2%という結果になりました

。前年と変わらずITに従事する方よりも、事務従事者や学生が多い結果となりました。

前年度との比較

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高額になりがちなVR機器を揃えるのが金銭的にも難しいはずの学生や、VRにあまり関連の無い事務従事者の方が2年連続で最も多い結果となりました。

世間でのイメージである「ITを生業とする人やガジェット好きやだけがプレイするVR」とは違っていることがわかります。

また調査の反省として、自由記述形式によって回答が不正確になってしまった経緯から、来年は選択式にして回答の正確さを向上させる予定です。

VRChatユーザーの所在地

今年から新しく、VRC利用者の方の在住する都道府県に関して選択式で集計しました。

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以下のグラフは平成30年度の都道府県別人口ですが、こちらと比べて東京が7.2%、神奈川が5%高く、大阪や埼玉が若干順位を落としつつ、それ以外は大体全国平均と同じという結果となりま

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VRChatを始めたきっかけ

次にVRChatを始めるきっかけに関してです。「選択肢+その他」記述形式で回答して頂いたものを整理しました。

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こちらは最も多いのが前年度と同様に「vtuber」となり、それに次いで「友人からの誘い」や「プレイしているところを見た」ことがきっかけになりました。

Vtuberにおいてはインタビューやアンケートでも、ねこますさん(のじゃおじさん)がプレイされているのを見て始めた方が多く見受けられました。

前年度との比較

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前年度の比較としては、vtuberがきっかけで始めた方が26%も減り、代わりとしてスタンドアローンVRの購入やPC接続型VRの購入、バーチャルマーケットの参入が増えた形となりました。

近年は特にOculus Quest 1、Oculus Quest 2といったスタンドアローンVRや、Valve indexの様な接続型VRといった魅力的なVRデバイスが発売されたことが要因である事が考えられます。

また回答の中に、コロナによって余暇が出来たという回答も少し見受けられ、去年とは違う要因もありました。

VRChatをプレイしはじめた時期

次のVRChatを始めた時期に関してです。始めた日にちを選択してもらう形で集計しました。

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このグラフにある通り、3回ほど大きな波がある事がわかります。

第一回目は2018年5月であり、回答ではVtuberがきっかけと回答された方が多く見受けられました。この辺りはちょうど先述のねこますさんのVRChat関連の投稿が増えていた時期と合致するかと思われます。

第二回目は2020年5月であり、バーチャルマーケットを理由に回答された方が多い結果となりました。ちょうどバーチャルマーケット開会時期が4月末から5月はじめであったため、関連があると言えます。

第三回目は2020年10月で、回答では明らかにスタンドアローンVRがきっかけであるという回答が多く、Oculus Quest2の影響であると断言できそうです。

まとめ

以上が、2020年度VRC調査VRChat利用者実態と利用者動向その1になります。

上記の通り、VRChatはVR界隈にとっても非常に興味深い使われ方をされており、特にこの他に類を見ないレベルの習慣化と長時間の利用は今後のVRの普及の大きな可能性を秘めていると言っても過言ではないと感じます。

また、どういうきっかけでVRChatを始めるのか、どういう人がVRChatをプレイしているのかという情報はVRChatや他VRSNSにとって有用であると思われます。

次回は更に利用者実態と利用者動向に関して集計したものを紹介してまいります!どうぞよろしくお願いいたします。

コラム

2020‐12‐24

VRC調査 第一章 目的と研究手法について

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