VRC調査 第三章 VRChat利用者実態と利用者動向 その2

お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。

今回は、前回からの続きでVRChatを利用している方のログインする時間帯、VRC以外のコンテンツ利用状況、VRC内での活動、そしてVRCの魅力に関するデータを解説していきます!

どうぞよろしくお願いいたします!
なお、第二章その1が見たい方は以下のリンクからアクセスしていただければ幸いです!

「VRC調査 第二章 VRChat利用者実態と利用者動向 その1」の記事を読む

VRChatにログインする時間帯

まずはVRChatにログインする時間帯に関してです。ログインしている時間を全て選択して頂きました。

こちらを見る限り、ログイン時間は日本時間の20時から朝2時までの間に集中していることがわかり、特に22時からの2時間が最もログインしていることがわかります。

この中でも深夜0時から朝8時までログインされている方は、VR空間での睡眠をとっているユーザーではないかと推測されます。

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前年度との比較

前年度との比較ですが、ほぼ変わらない結果となりました。変わらず、夜に活動される方が多いようです。

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一ヶ月以内にプレイしたVRChat以外のVRコンテンツ

次に、VRChat以外のVRコンテンツの利用状況です。ここ一カ月以内のVRコンテンツの利用状況から、当てはまる全ての項目+その他(記述式)に回答して頂いたものを集計しました。

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これを見ると、61.5%がVRCのみをプレイしていることがわかりました。

二番目に使われているBeatSaberが29%、三番目のバーチャルキャストが6.6%であることを踏まえると、如何にVRChatユーザーがVRChatだけを使っているかがわかります。

インタビューにて、VRChatを選ぶ理由について聞いたところ
・ユーザー数だけでなく、日本人ユーザーのコミュニティが出来ているからVRChatを選ぶ。
・VRChatは一対一の上限関係の無いコミュニケーションが取れるため、それが気に入っている。もしくは、一対多のバーチャルキャスト、多対一のclusterなどと使い分けている。
・最初に使い始めたのがVRChatであったため、他のVRSNSにいってもしっくりこない
・VRSNSの中でも自由度が良い感じに高く、アバターやワールドのアップロードが簡単に出来るから。(なお、NeosVRは高すぎて馴染めなかったという方が数名いらっしゃいました。)
といった回答になりました。

このVRChatに存在するコミュニティやクリエイター、業界における認知度、ポジショニングは強いネットワーク外部性を生み出し、VRChatの人気の理由の一つになっている可能性が高いと言えます。

前年度との比較

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前年度との比較ですが、2019年はVRChatのみをプレイする人は55.6%だったため、今年に入って5.9%増加する結果となりました。

VRChat内での活動

次にVRChat内でどのような活動をされているかについてです。当てはまる全ての項目+その他(記述式)に回答して頂いたものを集計しました。

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VRCにはユーザー全員に共通する目的はなく、何をするかは全てユーザーに委ねられています。そのため、上記の通り活動自体は非常に多岐にわたっています。

そして中でも一番多いのはワールド巡りの75%、身の回りに関するコミュニケーションの66%、アバターやパーティクルに関する感想などのコミュニケーションの63.4%となりました。

また、この中でも筆者が着目している点としては飲食や飲み会、睡眠、恋愛といった従来のVRでは中々見られなかった活動になります。

中でも飲食や飲み会をされた経験のある方は36.5%、睡眠をされたことがある方は29.9%と少なくない数字になりました。
飲食・飲み会に関してインタビューを取ったところ、実に多様な飲食の形がある事がわかりました。

単純に集まって飲むという形式にとどまらず、
・「わかめスープ」といった食べ物や、特定の銘柄のお酒といった、参加者全員で特定の食べ物・飲み物を用意した上で開かれるイベントで飲む
・「ポピー横丁」や個人または団体によって運営されているバーといった特定の場所に集まって雰囲気を楽しみながら飲食を楽しむ
など、かなり多種多様な文化が形成されているようです。こういったお酒や食べ物が潤滑油となり、より深いコミュニケーションが出来るのもVRChatの魅力の一つになりつつあるようです。

また睡眠に関しても、インタビューを行いました。
VR空間上で睡眠というのはかなり不思議な行動に見えますが、実際に日常的に行っている方によると「毎日学校の遠足合宿に行っている感覚」と仰っていました。

もちろん体力的には頭にHMDを装着したまま寝るため、若干消耗するらしいのですが、皆で一緒に寝るという体験の心地よさから精神的に良いという事で続けている方も多いそうです。

恋愛やその他イベントに関しては、後の記事にて触れさせて頂きます。

前年度との比較

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こちらは前年度との比較になります。

こうして見ると一番多いのがワールド巡りの75%という結果になりました。次いでアバターやパーティクルに関する感想などの66.2%、身の回りに関するコミュニケーションの64.9%という結果となりました。

順位に変動はあるものの、概ね同じ結果と言えそうです。

VRChatの魅力

ユーザーインタビューの最後に、VRChatに感じている魅力に関して聞きました。こちらは当てはまる項目を、選択式または記述式で3つ選択して頂きます。

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こちらによるとアバターによる交流が76%と最も支持され、次いでVRによる交流が66.7%、自由度の高いプラットフォームが51.6%という結果になりました。

(前年度と同様にアバターによる交流はデスクトップモードでも行えるため、VRによる交流と切り離して回答を募集しました。)

上記の様に、アバターやVRにおける体験を魅力と感じるユーザーは多く、インタビュー内でも現実と変わらない感覚で人と話せることや、可愛いアバターを纏うことによる高い自己肯定感から、コミュニケーションが取りやすいと回答される方が多くいらっしゃいました。

また、自由度の高いプラットフォームにより、「ユーザーが開発者の目線に立ってコンテンツを作り続けている点」が魅力的だと答えている方もいらっしゃいました。

そして魅力的なユーザーを理由に挙げている方も多く、VRCをプレイされている方の中には魅力的なユーザーが本当に多く、様々な価値観や実績を持つ方と気軽に触れ合うことが出来る点も魅力であると回答された方が多くいらっしゃいました。

前年度との比較

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前年度との比較です。こちらも若干の順位の変動は見られるものの、最も重視されているのはアバターによる交流の63.8%となり、それに次いでVRによる交流の57.3%、自由度の高いプラットフォーム45.4%となりました。

まとめ

以上が、VRC利用者実態と利用者動向に関してでした!

上記の通り、VRCの使われ方はVR界隈においても特異点と呼べるほど特殊であり、自分自身も調査を進めるほどに、この特異性が将来のメタバースやVRコンテンツ開発の重要な要素になるのではないかと感じております。

次回は第三章オープンコミュニティについてです!どうぞよろしくお願いいたします。

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VRC調査 第二章 VRChat利用者実態と利用者動向 その1

お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。

今回から遂に!2020年度VRC調査で実際に調査したデータをご報告させて頂きます!

第二章は、VRChatを利用している方のプレイ時間や頻度、始めたきっかけ、職業、住んでいる都道府県といった利用者の属性に関するデータになります。

どうぞよろしくお願いいたします!

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コラム

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VRC調査 第一章 目的と研究手法について

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