VRC調査 第六章 VRChatクローズドコミュニティについて
お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。
今回は、VRChatで行われているコミュニケーションの中でも、VRChat外からは中々観測しづらい活動に関して調査したデータに関して解説していきます!
第六章は、VRCで団体に所属しているか、所属している団体の種類、交友関係のあるフレンドの数、団体に入るきっかけ、VRCにおける恋愛に関してです!
どうぞよろしくお願いいたします!
前回記事「VRC調査 第五章 VRChat オープンコミュニティについて その2」の記事を読む
VRChatでフォースなど団体に所属しているか
まずはフォースなど団体に所属しているかです。
VRChatには一般的に「フォース」といった名称で呼ばれるオンラインゲームやMMORPGでいうギルドのような存在があり、共通の趣味趣向または目的のもとにユーザーが集まって様々な活動を行っています。
(現実世界でいうサークルや同好会のようなものです)
こういった団体に、VRChatユーザーはどれくらい所属しているのでしょうか?選択形式のみで回答を募集しました。
これを見ると、団体に所属しているかどうかは半々という結果になりました。
VRChatの世界には本当に多くのフォースがあり、バーを経営したり、同じアバター姿で集まったり、同じ趣味について話し合ったりと実に多様です。
その全てを紹介するのはここではとても不可能であるため、また別の報告記事で例などを紹介させて頂ければと思います。
前年度との比較
前年度との比較ですが、去年は今年よりも所属している人が多いという結果になりました。
Oculus Quest2の販売もあって新しく始めたユーザーが多く、まだ入っていない方が多かった可能性があります。
VRChatで所属しているフォースや団体の種類
次に何故集まっているのかについてです。
ドイツの社会学者テンニエスが提唱したゲマインシャフト、ゲゼルシャフトの概念を参考に目的があって集まったのか、それとも共通の趣味趣向によって集まったのかを聞いてみました。
「2択+その他」形式で回答を募集し、その他の回答をこの2つのうちどちらになるかを手動で判断して集計しました。
こうしてみると、共通の趣味趣向で集まったフォースが最も多く、75.6%という結果になりました。
前年度との比較
前年度との比較です。こちらは、趣味趣向によって集まった方が6.4%増加していました。
VRChatで安定的に交友関係のあるフレンドの数
次に、VRChatで安定的に交友関係のあるフレンドの数です。
安定的な社会関係を維持できる限界の人数は150人程度であるという、ダンバー数なる定義がありますが、これが会いに行くのにかかる時間やコストがかなり低いVRChatでは現実と異なっているのではないかと思い、調査しました
記述式で回答してもらい、その回答を手動で集計しました。
また「その他」、「わからない」、「沢山」、「動く点P」といったような判別のしづらい回答は全て無効としました。
結論としては、一部非常に多い方もいらっしゃる一方で、全体の平均は19.3人という結果になりました。
会いに行く時間やコストが少なくても、ダンバー数の上限が突破されるという事ではないようです。
前年度との比較
前年度は平均値が22人となっていたため、今年度の調査と比べると多かったことがわかりました。
VRChatで団体などに所属するきっかけ
次に、新しい人がフォースやDiscordサーバーに入るきっかけについてです。
VRChatの方は、連絡手段としてDiscordを使用していることがわかっています。
「複数回答可+その他」形式で募集しました。
これを見ると、現実でのつながり方と変わらず最も多いのは人づての紹介となり、次にイベントでの交流という結果になりました。
またインタビューからDiscordの使い方に関して聞いており、イベントの運営や雑談、連絡や、中にはファンクラブといった形で使っている方もいるようです。
前年度との比較
前年度と比較すると、ほぼほぼ変わらないことがわかりました。
VRChatにおける恋愛に関して
最後に、最も深い交流と言っても過言ではないVRChatにおける恋愛に関してです。
「選択肢+その他」形式で回答して頂きました。
VRChatでのカップルは「お砂糖」とも表現され、容姿はおろか性別を超えて付き合っている方も多くいらっしゃいます。
今年度の調査では、そんな恋愛関係に居る方が25.5%もいらっしゃるという結果になりました。
「いないし、必要ではない」と答えた方が45.5%と最も多いものの、54.5%の人が「恋愛中」、「恋愛経験がある」、または「恋愛を志向している」ことがわかりました
前年度との比較
前年度との比較です。
去年はお砂糖状態にある人が今年度よりも多い結果となりました。Oculus Quest2発売によって新規ユーザーが参入し、まだお砂糖状態にまで至っていない人が多いからという予想をしております。
まとめ
以上が、VRC調査2020クローズドコミュニティについてになります!
運営が提供している機能ではないフォースが、全員ではないものの半数以上に浸透していることは、イベントに続きVRCにおける重要な文化と言えるのではないかと思います。
また、VR空間で恋愛をする方が多くいらっしゃることは、個人的にも大きな発見となりました。
次回はいよいよVRChatの経済圏に関する報告になります!!
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