VRC調査 第八章 VRChat経済圏について その2
お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。
今回は前回に引き続き、VRChatに関連した経済圏に関してインタビューとアンケートをもとに考察していきます。
第八章はVRChatに用いるVRやPC機器などへの出費、所有しているVRHMD、アバター等作成に用いるソフト、ボイスチェンジャーなどの外部ソフトに関してです!
どうぞよろしくお願い致します!!
前回記事「VRC調査 第七章 VRChat経済圏について その1」の記事を読む
VRChatに用いるVRやPC機器などへの出費
VRChatはPCでもプレイできるものの、十分に遊ぶためにはそれなりに高いスペックを求められることや、多くのユーザーがVR体験の為にVRHMDを購入するため、出費額も相当なものになります。
そこで、VRchatに用いるVRやPCなどハードに消費した金額に関して調査しました。
選択式で回答して頂き、金額順にグラフを作成しました。
結果としては、「30万円以上消費している」層が合計で50.3%以上と高い水準を示す結果になりました。
これはVRだけでなく、ハイスペックなPCを用いている人が多いからこその結果であると思われます。
また、次の調査項目でも取り上げるように、一人あたり1台以上のVRHMDを購入していることも消費金額を押し上げている理由であると推測できます。
前年度との比較
前年度との比較です。前年度は「30万円以上」消費している層は48.7%だったため、2.6%とわずかに増える結果となりました。
全体的な分布としては変わらないものの、「50万円以上」消費している方と、「5万円以下」消費している方が増える結果となりました。
所有しているHMDについて
次に所有しているVRHMDについてです。「選択肢+その他」記述式で、所有している全てのVRChatのプレイが可能なHMDを回答して頂きました。
結果としては、前年度と同じくHTC Viveが最も多い結果となりました!
そして驚くべきことに2位にValve Indexが入り、Oculus Quest2が続く結果となりました。
HTC ViveとValve IndexはHTC社の販売しているモーショントラッカーの存在が大きいと言えるでしょう。詳しくは次回の章に譲りますが、前年度でもVRChatをプレイしている人の半分以上がモーショントラッカーを用いる傾向にあり、頭と腕だけでなく、足や腰などをアバターに反映させる事が可能です。
Oculusシリーズは、これらのモーショントラッカーを公式でサポートしておらず、よりハイエンドな体験を求める上級者がHTC ViveやValve indexを選択していると予想されます。
一方で、Oculus Questシリーズは安価であり、特に最も新しいOculus Quest2は4万円以下で購入し、単体でVRChatをプレイできることから、初めてVRやVRChatをプレイさせる方が選択していることが多いようです。
前年度との比較
前年度との比較になります。こちらを見ると、前年度はHTC Viveが圧倒的であり、Oculus Questは1/3以下という数字になっていました。
今年度のHTCVive使用ユーザーは前年度と比べて減っている為、次世代機への移行が進んでいると思われます。ただ、HTC社の次世代機であるHTC Vive Cosmosは上記三機種と比べると大きく差を空けられてしまう結果となりました。
アバターやワールド等作成に用いているソフト
次にアバターやワールドを作成する際に使われているソフトに関してです。
前回の調査から、ユーザーの実に94.8%がアバターやワールドなど自作や改造経験がある事がわかっています。
このアバターやワールド作成に用いているソフトに関して、「選択肢+その他」記述式で回答を募集させて頂きました。
結果としては、アップロードに必ず使われるため97.7%と高い使用率を誇るUnityに、Blenderの72.4%が続く結果となりました。
また3Dモデルを作る上で欠かせないテクスチャを作成するためにphotoshopなどを使われる方が多くいらっしゃいました。
VRChatは単に交流の場でなく、クリエイターの集うプラットフォームととらえることも出来るでしょう。
前年度との比較
前年度との比較です。結果としては今年度と多少の順位の変動はありつつも、大きくは変わらない結果となりました。
ボイスチェンジャー等、VRChatのプレイに用いている外部ソフト
最後に、ボイスチェンジャー等外部のソフトウェアの使用状況に関してです。
VRCharは普通に話すだけでなく、自力で普段と違う声を出したり、ボイスチェンジャーなどを利用してコミュニケーションを取っている方が多くいらっしゃいます。
こちらは本アンケートとは別に取った調査であり、回答数を多く集められなかった為、あくまでも参考値ではありますが、およそ32.6%が声に何かしらの変化を持たせています。
では、実際にどれくらいの方がVRChatと一緒に外部ソフトウェアを使用しているのでしょうか?
「選択肢+その他」記述式で回答して頂きました。
結果としては、76.9%はこういった外部ソフトを使用していないことがわかりました。
一方で無料のソフトだけでなく、有料のソフトや本格的なボイスチェンジャーを用いている方もいらっしゃいました。
前年度との比較
前年度との比較です。前年度と比較すると6.1%増加する結果となりました。
自身の肉体や性格などを自由自在に選択できるVRChatにおいて、自身の「声」を変える方も増えていると言えるでしょう。
まとめ
以上の様に、VRChatユーザーはPCやVR関連機器には多額の出費をしていることがわかりました。
またユーザーのほとんどがUnityなどを使いこなし、7割以上がblenderを用いている事がわかりました。
次回からは、ユーザーのPCなどプレイ環境に関する調査になります!
どうぞよろしくお願いいたします。
コラム 2020‐01‐10 |
VRC調査 第七章 VRChat経済圏について その1 |
お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。今回からは、本調査の仮説の大きな一角を占めるVRChatに関連した経済圏に関して、インタビューとアンケートをもとに考察していきます。第七章はVRChatで今使っているアバター、アバターの自作・改造経験、アバター等VRChat関連で消費した金額、バーチャルマーケットへの参加経験、VIRTUAL MARKET5に参加するかどうか、Boothでの販売経験に関してです!どうぞよろしくお願いいたします。 |
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コラム 2020‐01‐10 |
VRC調査 第六章 VRChatクローズドコミュニティについて |
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お世話になっております!株式会社VLEAPの新保です。ついに!2020年度「利用者調査から見た日本におけるVRChatのコミュニティと経済圏」(略称VRC調査)に関する調査報告を始めさせて頂きます。全部で7回の連載になり、今回は序論・本研究の目的や研究手法に関してになります。本日から3日に一回のペースで投稿していければと考えております!どうぞよろしくお願いいたします |
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